作品制作のための「詩」のようなものを
思いつくままに
2019年のテーマは「流れ」
「新月に願う」
深い墨色の宙を見上げ
目を凝らし
みえない月をみている
孤独の底で心をひらく
繭から糸を紡ぐように
想いが光の糸になる
新月にねがう
あるがままに
「ガラスの月」
溶けないままの薄氷(うすらい)に
ガラスのような月が映る
手を伸ばせば壊れてしまうから
そっと
見守るだけの刻を過ごそう
「濡れている月」
海に光る月が
滲んで見えるのは
あなたを思う瞳が
潤んでいるから
「手をのばした先にあるもの」
たとえば
月の欠片をあなたにあげたい
たとえば
夜空の星のいくつかを
たとえば
風が届ける春の気配を
たとえば
聲にならない言の葉を
たとえば
見つめあう一瞬を
手を伸ばした先にあるもの
つかめないものほど
大切なものだったりするよね
「緩やかな速度」
風花が舞うように
雪が舞い降りる速度は
ちょうど桜の花びらが舞い降りる
速度でもあるそうです
風花が舞うように緩やかに