作品制作のための「詩」のようなものを
思いつくままに

2006年のテーマは「月」



「奏 音」
小樽の倉庫は光に溢れ
喧騒の中 一陣の風
北一硝子
風鈴いっせいに揺れて
風を奏でる




「懐古する風景」
小樽運河散策 石畳 ガス燈 倉庫群
路地に入ると 北一硝子 大正硝子
硝子ランプの向こう
照らし出された石畳に人々が行き交い
今と昔が交錯する
光りきらめく浪漫の街




「北国」
夏風景
風にそよぐ小麦畑は
やがて麦ロールをころがして
北国 夏風景




「函館」
坂の街 函館
異国情緒が漂う街
函館山の夜景の中に
ハートの文字をみつけたら
ふたりは 幸せになれるという




「シリエトク」
シリエトク アイヌは
大地の尽きる所とよんだ
知床の海 断崖絶壁 フレペの滝は乙女の涙
海鳥はオロロン オロロン
波と群れ遊ぶ




「めぐる月」
満ちていく月に想いをふくらませ
また欠けていく月でもやがて
満ちることを思い描いて
めぐることは夢見ること
めぐることは見守ること




「光が海と交わるとき」
雲は次第に
縁取りを 朱色に輝かせ
向こう側には 光があふれ
その隙間から 放射状に光が射し
海面は 金色に燃え
紺碧と交わり光の道をつくる
神秘の瞬間に出遭い
心が震える




「あふれる光」
水面を見上げれば
キラキラといくつもの波紋が
重なり合い 隣り合い
ガラスのように透明な光を揺らめかせていた




「目覚める島」
島はまだ黒く眠っていた
島にかかる雲が次第に黄金色の縁取りをつける
刻々と移る時の中で
空が徐々に明るくなっていく
太陽が顔を覗かせ朝が輝きだした
空と海と島が目覚め
今日一日がまさしく始まる瞬間を実感
感動
海は凪ぎどこまでも穏やか
風が今までとは違い
南下してきたことを肌で感じる




「夢見月」
私の好きな季節です
草木の萌える季節は
心もウキウキとはずみ
何か新しいことにチャレンジしたくなります
草木が芽を出し伸びるように
この場所からも何かが生まれ
発展すればいいなと思います




「あなたに」
やわらかな風を あなたに





「いのちの軌跡」
蛍の舞
闇にひとすじ
命の軌跡





「あなたに伝える」
ことこと言の葉かきあつめ
心ふくらむ 想い
あなたに伝える





「むらさき露草」
梅雨明けの
夏の光に輝いて
淡い紫
露草の花





「愛逢月(めであいづき) 」
七夕月は愛逢月
偶然の出逢いは
必然の出逢いなのだから
だいじだいじに育みます
めぐりあいに感謝して





「縁(ゆかり)」
あなたとの出逢いを
たどってみれば
それは
偶然の中の必然
ほんのわずかな細い糸をたどり
偶然の中の必然が重なり合って
やってきた




「逢(めぐりあい)」
今日の出逢いは
今日だけだから
まいにちが
一期一会





「妖精達ガ行ク2006(巣立つ娘達に贈る)」
生マレタバカリノ二人ハ
乙女ノ月ノ妖精トナル
カワイイ寝息ヲタテテ眠ル二人ハ
朝ガ来ルト
カタコトノ言葉ヲ交ワシ
合図ノヨウニ目ヲ合ワセ
仲良ク歩キ始メ
ソシテ走リ出ス
アノ頃ガ
遠ク
月ノ光ニ 照ラサレテ輝ク
遥カナ時ガ流レ
今宵ハ上弦ノ月
光ノ中デ
無邪気ニ踊ル
妖精達ハ休ムコトナク
輝キ続ケル
青藍ノ夜空ニ
豊穣ノ月ガ昇ル時
妖精達ハ
月ノ光ヲ身ニ纏イ
自ラ道ヲ照ラシ
自ラ道ヲ拓ク




「暦ひととせ」
はつゆめに心はずみ
きさゆらぎづきに草木めざめ
春をむかえる ゆめみづき
ふうわり わたぬき 夢纏い
みどり濃くなる さなえづき
そわそわと風待つ月もあり
想い焦がれて めであいづき
陽射しの中の 草の月
もみじのつきに 風も染まり
日だまり恋しい 陽の月
息白く 三つの花 咲く しもふりづき
おもいあふれる としみつつき
初春
萌揺らぎ月 夢見月 四月朔日  早苗月 風待月 愛逢月草津月
紅葉月 陽月 霜降月 年満月 暦ひととせ