作品制作のための「詩」のようなものを
思いつくままに

2020年のテーマは「手紙、文、便り」




「いのちのテーゼ」

螺旋に舞う
花の便りは
次のいのちへの環となり
飛花落花

だから今を
心に刻み
そして次へ




「時は瞬きの集合体」

時は瞬きのごと

長い道程の中で
瞬きほどに
火を点す 
過去でもなく未来でもない今

走馬灯のように流れてゆく
これまでの道程の
そこここに幸せの火を灯してきた
瞬く時が街角の街頭のように
ぽ ぽ ぽと光を放っている

それは微笑みの光




「自灯明」

海よりも深い宙を泳ぐ
そこは星の海
私はここ と懸命に光っている

心が響けば
きっと私は
わたしを探せるはず




「女神サラスヴァティの祝福」

サラスヴァティに祈りを捧げ
いつのまにか
深く関わっていることに
気付かされる いま

サラスヴァティに捧げる
ヴィーナの音色




「瞳の奥」
あなたがわたしをさがすとき

その瞳の奥には
軽やかにうたう音符が
小首をふるように見え隠れして
満面の笑みで走り寄るのだ

あなたがわたしをさがすとき

その瞳の奥には
深い湖が波立つように
ふるえる瞳が
わたしをさがすのだ

あなたがわたしをさがすとき

大丈夫
心配しないで
わたしはずっと
あなたをみつめているから




「馬車道北仲ブリックに吹く風」
馬車道北仲ブリック
Fly Me To The Moon
ジャズに酔う街角




「BELIEF」
愛語
LIVE
LOVE
LAUGH
AND BE
HAPPY

生きて
愛して
笑って
幸せめぐり逢い




「月の音色」
宙の奥の奥まで透き通る
今夜の月に
フランスワインを注いでみる
グラスの縁を指で撫でたら
銀の音色が聴こえてくるから
耳を澄まして
月を眺める




「いのちのTheseテーゼ」
螺旋に舞う
花の便りは
次のいのちの環となり
飛花落花




「共振」
フウシンウンショ
風信雲書

Mailを知らせる振動で
気づいたの
……
そのひとことで今
共振現象が
起こっている

文字を追い
あなたの心にそっと
触れたよう




「雨の中」
目が覚めて
窓を開け放し
耳をそばだててみる
雨の音を聴く

屋根をたたく雨の音
雨宿りをする鳥の声を
庭の花に降る音を
雨が地面に落ちてはねる音を

なんと様々な雨の音に包まれているのだろう

朝 冷たい空気をいっぱいに吸い込んで
目を閉じ耳をすませば
様々な雨の音に包まれる
様々な幸せが溶けている




「夢物語」
夢を見ていた

シャボン玉が弾けたように
夢は小さな泡となった

明日へのページをめくり
また夢を見る




「光の道を渡り」
月の端っこに腰かけて
光の粉をふりかけて
迷わないよう照らそう
ひと筋の光の道を渡り
あなたのもとへ




「絹を纏って」
春の気を纏った
今夜のあなたはシルクムーン
全てを包み込み
優しい光を放つ